雑記と社会人

火ノ丸相撲は漫画史に残る作品。漫画を通じて感じた、思ったことを書きます。

火ノ丸相撲 第248番 鬼丸国綱と刃皇、対話 感想


f:id:yo-ichi41:20190708205437j:image
f:id:yo-ichi41:20190708205443j:image

かっこうよすぎるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!

 

え?だって雲龍型と不知火型が、見開きで対峙しているんだぜ?しかもコマ割りも似ていて、鬼丸は汗まみれだけれど、刃皇はまだ余裕の表情なんだよ????横綱の力強さと、それに挑む力士の構図だべ?やっべぇよ、かっけぇよ、…。果てる…。

 


はい、今週の火ノ丸相撲読了しました。横綱、即ち神である刃皇に抗う鬼丸、この一番はどうなるのか。

 

前々から想像していたのは、きっと刃皇は鬼丸と組んで、『対話』するだろうな、ということ。前回の取り組み…2日目、千秋楽の取り組みでは、鬼丸は刃皇との対話を拒絶した。あれから13日、刹那を生きる力士である鬼丸は、大きく成長した。鬼丸は対話のなかで、何を伝えるのか。

 

個人的には、どんな神になるか、愛とはなにかを話してほしいな…と思ってました。注目の第248話、感想始めます。

 

 

 

  • 刃皇-鬼丸、取り組み

 

刃皇相手に、今までの全てで立ち振る舞う鬼丸。突っ張りに踏み込みに前さばき、下手。突っ張りといえば大典太、前回しをといえば三日月、前裁きのうまさなら、その小さいからだで何度も視線を潜り抜けてきた鬼丸。そして場所中に馭した無道を駆使して、刃皇の回しを、下手で引く!!


f:id:yo-ichi41:20190708205222j:image

2日目同様、全力。2日目はかちあげから回しをとられが、今回は鬼丸から下手を掴みに行き、四つに組んだ。四つに組むという結果は同じでも、それに至るまでの手数が、大きな違い。

 

…思えば…。

 

この15日間の対戦で、鬼丸は、初日、大典太の張りを耐え、二日目に一度は刃皇に屈し、三日目には、為すすべなく数珠丸にも敗れ、もうダメかと思ったときに、レイナをはじめ、大太刀高校相撲部に救われ、四日目、大般若との一番で相撲を楽しむことを思いだし、五日目、草薙との一番で下手を復活させ、六日目、金鎧山との一番で不知火型を無意識に手にし、七日目には兄弟子冴ノ山の教えを元に難敵御手杵を下し、八日目に童子切から「刃皇を倒し優勝する意志」を受け継ぎ、九日目には刃皇に土をつけたこともある実力者、大関百乃花も越え、十日目、大和号との一番で不知火型ぶちかましをものにし、十一日目、大包平との一番で無道を馭し、十二日目、三日月との一番で覇乱万丈の相を手にして…千秋楽、部長と、そして優勝決定戦では兄弟子冴ノ山との一番をも乗り越え、辿り着いた刃皇。一番一番、確実に成長しているのが目に見える…鬼丸、最高だよ…。

 

かつて、刃皇は『それでも 今 勝ちたいと言うのなら

噛み締めなさい 一つ一つの経験を 濃密なものにしなさい 以上!』と言った。その言葉は、まるで、鬼丸のことを言っているようだと、今なら感じる。


f:id:yo-ichi41:20190708235117j:image

 

濃密な今を積み重ね、この一場所で、大きく成長した鬼丸の下手に対して、刃皇も侮るわけがなく、気になるを越えて、もはや認めていると。横綱から認められた鬼丸…。

 

たった数ヵ月前までは、名前も顔も覚えられてなく、超怖い顔で切れられていた鬼丸。


f:id:yo-ichi41:20190708235442j:image

 

刃皇に放った殺気だけは覚えられていた鬼丸が、今では認められる…成長したなぁ…涙がちょちょ切れますよ…。

 

 

 

  • そして対話

 

f:id:yo-ichi41:20190708205036j:image

 

いつかの刃皇裁判所で鬼丸は語る。『刃皇を一人にさせない』と。それはつまり、刃皇の横に並ぶ。即ち、横綱になるということ。しかし、鬼丸の体は、小さい。本来ならば167cmなければ、大相撲に入れない体。だからこそ刃皇は鬼丸に対し、


f:id:yo-ichi41:20190708210343j:image

その体でなれるのか?と問いかける。そして、

改めて君は『どんな神になる?』と問いかける刃皇。

 

思えば…。173番で刃皇は、鬼丸に、同じ問いかけをしていた…。


f:id:yo-ichi41:20190708233645j:image

 

そして、222番…5日目、対草薙戦で、鬼丸の中では既にその問いに対する答えがあったのだな…。

 


f:id:yo-ichi41:20190708233655j:image

 

  • 刃皇の、『どんな神になる?』その問いかけに対する鬼丸の出した答え

 


f:id:yo-ichi41:20190708235753j:image


f:id:yo-ichi41:20190708204932j:image

 

鬼神かぁ…なるほど、確かにそれもまた神。皆が思うような、相手の攻めを受け止め、圧倒する横綱…神にはなれないかもしれないが、下手から始まる『鬼車』、『鬼嵐』、二太刀同時の『百鬼薙』、命を懸けて放つ、三点同時投げ『百戦夜叉堕』、怪我をしたからこそ身に付けられた、張り手『焼け枹』、一本背負い『無刀一輪』、更に、今までの取り組み、対戦相手から学んだ技を活かして取り入れた、『掛け投げ 鬼車・火龍』『愛・鬼車』『掛け張り手 焼け枹・破城』

等々…。

 

怒濤の攻めを繰り広げ、無限の揺さぶりで相手を攻めたてる、鬼丸にぴったりの神だ…。確かに、鬼丸の体は小さく、その力士生命は短いかもしれない。しかし、確実に生きた証を、空の上にまでその名声を轟かせることができる力士であることは間違いない。

 

横綱になり刃皇に並び立つ。それも、只の神ではなく、、、鬼神になるという鬼丸に対し、刃皇は、刃向かって見せろという。かかってこいと言わんばかりの刃皇が見せた姿は…

 

  • 神に刃向かうべく、激突


f:id:yo-ichi41:20190708205437j:image

人を謳歌し、横綱になった現人神、刃皇。

 


f:id:yo-ichi41:20190708235844j:image

 

自身を謳歌し、鬼神になろうとする、鬼丸。

二人の力士は、再度激突する---。

 

 

まとめ

 

今回の248話は、火ノ丸相撲第二部の、力士、鬼丸がどんな神…横綱になるか、そして、その相撲道はどんなものか、その主軸が明確になった話でしたね。今までも鬼丸自身、どんな神になるか、ちょこちょこ明示されていました。例えば、対草薙戦での、『ワシはワシを謳歌する!』や、巡業での対蜻蛉切戦での『親方や兄弟弟子に恥じることのない相撲道をワシは行く!』、等々。が、今回、はっきりと『鬼神になる』と言い切りました。横綱を投げ、小さい体で縦横無尽に土俵に住まう、『雲の上にまでその名を轟かす大横綱になる男』…鬼丸…鬼神…かっこいいじゃあないの…!!!

 


f:id:yo-ichi41:20190708233949j:image

 

きっと最後はこれで〆るはず…!横綱刃皇と鬼丸の一番を読める、喜びを謳歌しつつ感想の〆とします。

 

  • ただ、一つ、気になることが…。

 


f:id:yo-ichi41:20190708234008j:image

 

「とある夏  大相撲史に刻まれる 灼熱の夏の物語-----」

 

このエピローグから伝わってくるのは…完結が近い、かもしれない、ということ…。覚悟はしている、もう続きが読めないかもしれないと…終わるのか…?

 

…いや、今は、火ノ丸相撲を毎週読める、最高の「今」を積み上げていくよ…!終わるとは誰もいっていないんだ、これからも我々読者を楽しませてください、川田先生、待っていますっっっ!!!

 

 

来週の推察

技の応酬、そして刃皇の相解禁と、鬼丸覇乱万丈の相で激突するとみた。当たるかなぁ…?

 

 

※本記事は集英社/少年ジャンプにて連載中の川田先生による作品『火ノ丸相撲』より引用させていただいております。