火ノ丸相撲 26巻感想 験担ぎが面白い、改めて最高の兄弟子冴ノ山の26巻。
買ってきました火ノ丸相撲26巻!
にゃぁ、冴さんと火ノ丸のツーショット表紙とは予想外でした。大相撲編になってからずっと、キャラ単独表紙が続いていたから、今回も一人かなと思いきや、柴木山部屋の関取兄弟弟子ツーショット。こんなん感情昂りますよ!水色を基調とした、冴さんの相撲、「水の如し」を表現している、綺麗で爽やかな表紙ですね、好きだっ!
さて、収録されているのは第224番 鬼丸国綱と草薙剣、超越~第232番 国宝世代と童子切安綱、継承までの全9話。 たったの9話?と思われるかもしれませんが、いやいや、中身のボリュームは凄いですよ。
鬼丸-草薙戦は勿論、童子切-大包平、刃皇-冴ノ山、鬼丸-童子切戦が収録されています。
改めて読んでみると、「この作品のクオリティを、週間連載で読めるのか…」と驚くばかりです。なぜなら、どの力士、いや、どのキャラも、自分の芯…覚悟が確かでぶれないため、行動、発言に違和感が全くないから。そして、過去描写が抜群にうまいからです。
まずは芯の部分から。26巻だけでも、
草薙の、全盛期の大和国を復活させる、という理想を貫くための変わらない覚悟
鬼丸の、勝ち続けるために、そしていつか、鬼丸だけの横綱相撲、鬼丸相撲を体現するために、変わる覚悟
誇れる自分になるために、童子切のライバルになるために、あえて辛く苦しく悔しい思いをするであろう、朝陽川部屋に入門して己を鍛え、そして、一番になるために、壊してでも…と思う、大包平の覚悟
横綱になるという夢を叶えるため、そして強い兄であるために、どれだけ泥にまみれても苦手を得意に、自信になるまで稽古を積む冴ノ山の覚悟
百乃花の、何がなんでも勝つために、前頭の鬼丸相手でも変化する覚悟
等々。どのキャラクターも、「何故それをする?」が明確だからこそ、読んでいて違和感がないと思います。
続いて過去描写について。26巻に収録されている第 228番「冴ノ山という男」は、一話まるまる冴ノ山関の過去描写です。この一話だけで、なぜ相撲を始めたのか、入門してからどんなことがあったのか、転機はなんだったのか、全て書かれています。一話だけで起承転結が明確。グレートですぜ、こいつぁ…。
入門したきっかけは親方の勧誘もあったが、何よりも『大和国』の姿を見たこと。中卒で入門の、叩き上げだった冴ノ山関は、入門から3年?19才で十両昇進、20才で新入幕というトントン拍子の出世ぷり。しかし外国人力士の壁と膝の怪我で低迷。そんなとき鬼丸が現れ、入門し、怪我をした。そして、『強い兄になって稽古場で待つ』という覚悟を決めた冴ノ山関は、巡業でも積極的に土俵に上がり、苦手にしていた御手杵関を克服するために、嫌がるまで出稽古を重ね、遂に、229番「縦のつながり」で、24戦全敗の横綱刃皇から☆を獲得した。
ここまでたった2話。信じられない厚みを感じます…
もちろん、この2話だけで冴ノ山に対してカタルシスを感じるわけではありません。高校時代の火ノ丸との出会い、大相撲編に入ってからの冴ノ山に関する描写…。それらの積み重ねではありますが、描かれていなかったキャラの過去を、たった2話で描写しきる川田先生の構成力は素晴らしいものがあると思います。
以下26巻でビックリしたこと
1 柴木山親方三賞を計9回受賞していた
2 首藤くん、廃業していた
3 妙斧山関、北青龍関、凛々しい顔つき
4 冴ノ山の験担ぎリスト。
・ベートーベン聞く←わかる。
・道場は右足から入る←わかる。
・道場にいる全員に一人ずつ挨拶←最高。
・薫風には二回挨拶←!?
ごめんなさい、正直笑ってしまいました、だって、『薫風には二回挨拶』ですよ!?何故なんだ…そして唐突すぎる
推測1 マッサージがうまいため、日頃の感謝と尊敬を込めて。
推測2 柴木山部屋の力士で最年長だから(以前は薫富士だった)
推測3 ご利益があるから…?
要考察。
他にも、パンツは水色、持ち物には全て名前を書く、体重は奇数がいい。等々。基本突っ込みどころしかないぞ冴えさん!笑
というわけで26巻まとめ!
「10週で終わる覚悟もしていました。
毎話精一杯作っていましたが、そもそも読んでもらえないと思っていた。皆様の応援のおかげで早五年、どうか最後まで見届けて頂けると幸いです…!」
川田先生、そんな寂しいこと言わないでぐだざぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
少なくともここに!あなたの作品を!火ノ丸相撲を楽しみにしている読者はいます!Twitterにもたっくさんいます!だから、そんな寂しいこと言わないでください…ううう…
次巻表紙予想 大包平関一択!