雑記と社会人

火ノ丸相撲は漫画史に残る作品。漫画を通じて感じた、思ったことを書きます。

火ノ丸相撲 246番 鬼丸国綱と冴ノ山紀洋2 感想


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今週の火ノ丸相撲読了。兄弟愛に溢れている話でしたっ…(涙がっ…)しかも今週は増ページ!やった!

増ページは嬉しいけれども、煽りには大相撲編クライマックス!の文字が…心に少しの不安を抱えつつ、それでも増ページ貰えるのはありがたいなぁと思いつつ、今週の感想です。

 

前回は大包平と刃皇の一番を終えて冴ノ山と鬼丸の鬼気迫るカットで終わり、今週は取り組みの真っ最中。

 

思えば冴ノ山と鬼丸は42話、火ノ丸が桐仁の計らいで柴木山部屋はへ出稽古にいってからの関係…。初期の冴さんは目が死んでいて怖かった覚えがあるな…


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初登場の冴さん。怖い。

 


そのときから冴さんの実力は確かで、高校生だった火ノ丸は未完成の百戦夜叉堕を繰り出しても敵わないほど。しかし、火ノ丸の諦めないその目に、冴えさんはファンになったといいます。

 


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あの出会いから、柴木山部屋に入門し、約4年…
遂に、本場所の土俵で向き合う冴ノ山と鬼丸。
二人の取り組みの勝敗は如何に。

 


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燃え盛る炎のように攻め立てる鬼丸と、
変幻自在の水のように受け流す冴ノ山。

 


鬼丸は右四つ、冴ノ山は左四つが得意の形。稽古場で何度もぶつかり合ったからこそ、お互い相手の得意の形にさせまいと拮抗し、両者の取り組みは必然的に長くなる。

 

 

長い取り組みのなかで冴ノ山の回想に入ります。

おそらく怪我をする前の、十両三枚目の鬼丸と前頭14枚目の冴ノ山。冴ノ山からしたら自分の後ろから猛烈に追い上げてくる鬼丸は、恐怖の対象になる。自分が部屋頭として、そして鬼丸より長く大相撲の世界にいる力士として、その番付が抜かれたら、と思うと…。

 


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感覚としては、部活動をしていて、自分より優秀な後輩が入ってきて、抜かれて慕われなくなり、自分の居場所がなくなるのではないか…?その感覚に近いものがあると思います。

それに、大相撲の世界では番付が全て。例え年下でも、自分より番付が上回れば部屋頭にもなるし、待遇も変わってくる。大相撲に年齢は関係ない。そういう厳しい世界にいるからこそ、冴ノ山は鬼丸を恐れていた…。

 

 


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だからこそ、冴ノ山は奮起した。強い兄であろうと、絶対に負けたくないと。

 

そして強い兄であろうとする姿勢は、鬼丸が怪我をしてからも、ずっと維持し続けた。だからこそ、関脇という、大関に、そして横綱に近い番付を長く維持できていたし、横綱になるという夢も諦めなかった。そんな冴ノ山の背中を見て、鬼丸もまた頑張れた。なんと美しい兄弟愛だろうかっ…!

 


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それでいて火ノ丸も冴さんを認めているし、尊敬もしていて…麗しき兄弟愛なり。

 

 


場面は再び取り組みに。鬼丸が切り返しで冴ノ山の状態を崩す!そして、かつて冴ノ山に迫った、火ノ丸の、鬼丸の下手が…!


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その下手をとられる前に、鬼丸の回しをつかみに自らの左腕を鬼丸の腕の下にいれ、寄るっ!

 

 


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刃皇を下した左四つの寄りで鬼丸を寄る!寄る!
寄られたら普通の力士は堪えようとばかり考える。だが鬼丸は違った! 逆に! 鬼丸はなんとさらに!土俵際に引いた!

引いたことで土俵際丁寧な冴ノ山を不安定なまま土俵際に引きずり込み!体が宙に浮かんだところで鬼丸はっ!

 


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投げたっ!櫓投げ、鬼桜だっー!(22話以来2回目)な、な、なんてこったいっ…!身長160cmたらずの鬼丸が、身長191cmの冴ノ山を投げるだなんて…小さい奴が大きい奴をぶん投げる…こんなのワクワクしないわけがないっ!!!

 

 

そして、兄弟子冴ノ山を下した鬼丸は、ついに…。

 


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辿り着いた。
…2日目、鬼丸は刃皇裁判の法廷にて、刃皇との対談を拒絶した。しかし、数々の取り組みを通じ辿り着いた千秋楽。今は、刃皇に話したいことがあるという。
土俵の上で、何を語り合うのか。
次回、9月場所千秋楽、優勝決定戦、横綱刃皇-前頭3枚目鬼丸、発揮揚々!

 

 

 

感想
増ページ…ありがとう…その言葉しか浮かばない…そして、増ページを感じさせない情報量の多さ、密度…。246話だけで、


1 冴ノ山の独白と鬼丸との兄弟愛
2 親方と冴ノ山の子弟愛
3 冴ノ山と堀ちゃんの愛
4 愛の戦士、横綱刃皇降臨

 

要素多すぎるんだよぉ!(歓喜)

 

 

一つずつまとめていきますね。

 


まず、冴さんの心情の吐露
凄くいい…いや、たまらなくいい…。
そうだよね、後ろから来る若く優秀な目は、怖いよね…いつ抜かされるか分からないし、抜かれたら…そう、自信が足りないから恐ろしく感じる…
人間臭い冴ノ山、好きです。

 


きっと、このときの冴ノ山は、横綱になることより、鬼丸に抜かされたくないという意地の方が強かったのかもしれない。だからこそ、中々上に行けなくて…。皮肉なことに、鬼丸が怪我をしたことが転機となって、冴さんは強くなったのかもしれないな、と思いました。強い兄として、弟を待つ。あーっ、エモいっ!

 

 

続いて親方と冴さんの子弟愛。
柴木山親方が果たせなかった、横綱になるという夢を背負う冴えさん。そんな冴さんは大関に近づいている。でも、柴木山親方は関脇が最高位。その事から大関になる方法を教えてあげられないと嘆いて…親方…(涙)
思えば親方は何かと、関脇止まりの自分を卑下していたんですよね。駿海さんに関する、桐仁と親方の会話でも親方は、
「才能のないぼくを関脇にまでしてくれた人だよ」と言っていましたし…。

関脇止まりの僕が…そのとき冴さんが返した言葉が

 


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冴えさんっ…!!!
そうなんだよ、親方の夢の続きは冴えさんだけじゃない、鬼丸だって託されているだうわあああああえもいっっ!!!

 


で、その冴えさんは堀ちゃんと中が良いようで…
前々から気配はさりげなく漂っていましたが…
どうやらありそうですね、いいことや!
(バト…どんまい。)横綱以外にはいらない…(でも堀ちゃんは別)


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ここの堀ちゃんまじで美人。風立ちぬ

結婚シーンみたい。

 

 

そして刃皇。最後のページのカットは佐藤先生の
鮫島、最後の十五日のオマージュでしょう。

 


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そうでなくても、この刃皇は、あまりにも
神々しい…。憤懣でも、静謐でも、暢気でもない。刃皇の相、というべき、 自信に満ち溢れている…。かっこよすぎる…。

 

 

ということで今回のまとめ。
1 25Pで優勝決定戦を終わらせる高速っぷり。
2 しかしその25ページの満足度は天下一
3 遂に辿り着いた刃皇との再戦!鬼丸、
優勝をかけて最強の横綱に挑む!

 

 

来週はまだかぁぁぁぁぁ!!!

 

※本記事の画像は集英社:週刊少年ジャンプにて連載中の川田先生原作『火ノ丸相撲』より引用させていただいております。