火ノ丸相撲 245番 鬼丸国綱と冴ノ山紀洋
火ノ丸相撲 245番読了しました。
(魂が抜ける感覚)
遂に始まる刃皇、大包平、鬼丸、冴ノ山4力士による優勝決定戦。組み合わせは刃皇-大包平、鬼丸-冴ノ山のダブル同部屋対決。現実で起きたらもうすっちゃかめっちゃかですよ。ただ、今週のタイトルは鬼丸国綱と冴ノ山紀洋…。タイトルから何となくわかってしまったのが悔しいですが、我らが大包平、横綱刃皇により、たった6ページで圧倒されてしまいました。悲しい…。
刃皇-大包平
勿論、無道を解き放った刃皇の強さは未知数とはいえ、もう少し、取り組みが見たかったのが正直な感想。せめて10ページくらいはみたかったなぁ…もちろん、現実の大相撲でも肩透かしを食らったようにすぐ取り組みが終わる一番もあります、片方の強さが際立ちすぎているときに起こることなのですが…。同じ部屋で何度も稽古を積んで、何度もぶつかり合って、国宝世代の中でも一番刃皇とぶつかり合ったはずの、そして、死を恐れぬ捨て身の相撲、無道を制御しているはずの大包平の、離見の見を、さらに上から見る無道刃皇は、大包平より上なのだと、川田先生は台詞なしで伝えてくれました。
土俵の上から取り組みを客観視する離見の見。
その上から圧倒する横綱刃皇。
例え一つ前の取り組み、物言いで草薙に破れても、刃皇の強さは揺るがない。そして、動揺しても言い負け方をしても、次の一番に引きずらない、これこそ横綱。
鬼丸-冴ノ山
優勝決定戦、二番目の取り組み、同部屋対決は鬼丸-冴ノ山。以前記事でもあげたように、大関昇進の目約というのがあり、それは、三役の地位で直近三場所で33勝。今場所までの冴ノ山の総勝ち星は、9勝、10勝、13勝、合計32勝。今場所は横綱に既に勝ち、尚且つ4大関にも、難敵御手杵にも勝っての13勝、個人的にはもう昇進決定してもいい気がするのですが、あくまで個人の感想。冴ノ山としては、鬼丸に、そして刃皇に勝ち、優勝。文句なしの昇進といきたいところ。そして、遂にたった夢の舞台、鬼丸との本場所での一番。
かたや鬼丸。こちらも刃皇の優勝を止める、師匠、レイナ、皆の前で優勝することは譲れない。やがて横綱になるという目標のためにも、負けられない取り組み。柴木山部屋の力士として、恥ずかしくない相撲をとる。兄弟子として尊敬する冴ノ山だからこそ、手心を加えることなく、真剣勝負。弟弟子との本場所での一番をとる夢を叶えた冴ノ山、横綱に勝って優勝する夢を叶えるべく取り組む鬼丸。その二人の力士の様子は、まさに鬼気迫る表情-----
感想
始まりましたね、優勝決定戦。川田先生がかつてないほどのペースで取り組みを進めているような、いや、力士たちが勝手に取り組みを加速させているのか。とかく刃皇-大包平の一番は6ページだけでしたね、もう少し心理描写があればと悔やまれます…それと、幕下2枚目のバトこと白狼さんが幕下優勝をさらっと決めていたこと!
これも驚きました、ページの関係上仕方ないかもしれないけれど、みたかったなぁ、優勝するときの一番。きっと元栄大付属の幕下筆頭ダニエルとの一番だったんだろうなぁと、妄想が膨らみます。来場所は怪我をしてしまった…丸さんのためにも十両で暴れてほしい、白狼さん!
それと印象深いひとこまを一つ紹介。
同部屋の兄弟子で、若い鬼丸より冴ノ山を応援したくなる寺原さんに対して、バトが、そして怪我をした丸さんがいった一言。
強い方が勝つ。土俵上で向かい合ったら力士と力士。恨みっこなし。素晴らしい言葉だと思います。
かつて火ノ丸と部長の取り組み前にチヒロは「ただ…俺ら外野がどんな思いを抱えようと、こっから先は二人の世界。純粋にどちらが強いか、それだけだ…」という台詞を残しています。そして、柴木山親方が部長に「いいんだよ 土俵の外の尊敬心と土俵の中の競争心 敵対心は 同居していいんだよ」とも言っています。何よりも、部長の台詞。「感謝してるよ…ただ…その気持ちは、土俵の下に置いて来た…!」
この台詞からも伝わるように、例えどれだけ中がよくとも、例えどれだけ番付が離れていようとも、例えどれだけ個人的好意、敵意があろうとも、土俵の上で語れば全てわかる。そういうメッセージが、このひとこまに詰まっている、そう思いました。
まとめ
というわけで今週の感想をまとめると
櫓投げを同じ場所で二度も決める横綱の強さ。そして
同部屋対決だからこそ手心を加えずにぶつかり合う二人の力士の凄み!いやぁ、まさに鬼気迫るコマでした、川田先生の魂が載っているようなひとこま、ありがてぇっっっ!しかも来週の増ページ、川田先生、確実に我々を仕留めに来ていますね…来週も楽しみです!