雑記と社会人

火ノ丸相撲は漫画史に残る作品。漫画を通じて感じた、思ったことを書きます。

映画 リズと青い鳥 ラベリングを剥がす話。感想。

ネタバレあります。記憶は曖昧。

 

5月23日(水)、渋谷HUMAXシネマで
16:10~ 「リズと青い鳥」見てきました。
見てから感想が止まらなかったので綴りました。


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ボキャ貧だ技術がないだ言われても構わない、
思ったことを、感じたことを述べるのが感想なのです、綴ります。

 

以下ネタバレ込みの感想です。
また、映画を見た人が感想を探してネットサーフィンしていると仮定しているので、キャラクター説明はほぼ簡略。

 

 

まずタイトルにある通り、この作品はラベリングの作品です。

 

ラベリングというのは、いわゆるキャラ付けのことです。たとえば、Aくんはご飯沢山食べるやつだ、かつ太っている、かつ、服がきらびやか
➡️わがままなお坊っちゃまに違いない。というような、普段の行動からその人の育った環境や性格までも第三者が勝手に決めつけることです。

 

今作におけるラベリングは
のぞみ=自由奔放=空を自由に羽ばたく青い鳥
みぞれ=のぞみに決めてもらわないと動けない
=そこに居続けるリズ
を、
のぞみ=リズ
みぞれ=青い鳥

にする、ラベリングを剥がすまでの映画だと
僕は思います。

ではなぜラベリングを張られたのか。

 

 

冒頭のシーン。
学校に登校するのぞみとみぞれ。
下駄箱から上履き出すシーン。
のぞみは雑に、みぞれは丁寧に上履きを出します。性格でるよなぁ。続いて音楽室へ向かうまでのシーン。下駄箱の一部をさりげなくさわるのぞみ。のぞみがさわったところをなぞるように同じくさわるみぞれ。

 

のぞみの後をついていくみぞれ。階段も二段飛ばしで先に行くのぞみ。階段の上からみぞれをみるために見下ろすのぞみ。

 

全体練習の後。のぞみは後輩に囲まれて、みぞれは一人。みぞれがのぞみに話しかけに行くも、のぞみは後輩ちゃんとファミレス行くという。
みぞれは寂しがる。

 

それは一種の親子関係のような、無意識のパワーバランスのような。

 

ラベリングについて、前半でみぞれが
リズと青い鳥って、私たちみたい。」
という台詞があったのも映画をみる人に対し、見事にラベリングしてる。

 

でも中盤付近から、のぞみ>みぞれの
無意識のパワーバランスが崩れ始める。
大きなきっかけは、みぞれが先生から
音大の話をされたところ。大きな転機。

音大に推薦されたみぞれ。


先生からパンフをもらい、それをみるのぞみ。
映画みてるときは感じなかったが、いま思い返すと、あのときのぞみも「私も音大行こうかな」というところ、既にみぞれの方がいつの間にか羽ばたこうとしていることを描いていたんだな…って


のぞみもみぞれも、互いにラベリングをしていた。
のぞみは青い鳥。みぞれはリズと。

のぞみはみぞれを引っ張っているつもりだった、でも既に追い抜かれていた。そのとき、のぞみはどう思ったのか。

 

みぞれは意思を表すのが苦手だった。
だからこそ、自分を誘ってくれたのぞみを必要とした。のぞみがいるからオーボエをやる。
でも気づいたら、のぞみを抜いていた。

 

そんなことはあってはならない。

私(みぞれ)はあなた(のぞみ)より下です。

無意識にそう思ったのかもしれない。


互いに音を合わせられなくなったのは、違和感を、

すれ違いを、互いに仲がいいと言う建前で
本当の気持ちを吐き出せずに。吐き出さずにいたから。些細なことですれ違う。その積み重ねが
みぞれがのぞみに一度、ハグを求めるシーンに
繋がる。でものぞみはそれができなかった。


うまく行かないオーボエとフルートのセッション。みぞれは自身ををリズと思い、作品に重ねる。

「私には、青い鳥を自由にする理由がわからない。また、一人になるから」
…そんな感じのことを言ってたとおもう。

 

「じゃあ、青い鳥ならどう思う?」

 

ラベルを取っ払ってくれたのが、
あの女の先生。流石です。

 

それ以降、みぞれはのぞみとの遊び?だっけな
に後輩ちゃんを誘うように。

 

小さな、でも確かな変化。
「みぞれが誰か誘うなんて珍しいじゃん。
いいよ。」
その台詞からもわかるような、些細な変化。

そう、まさに羽ばたこうとしているんだ。
小さな、でも確かな、その一歩を
その積み重ねが、ソロパートに繋がる。


んで通しのソロパートシーン。
美しいオーボエと異なり、
フルートは寂しげ。

 

 

ラストは互いにハグして、互いの考えを言い合ってちゃんちゃんと。
そのラストシーンで、みぞれがのぞみに「聞いて」と。強く出た。変わったな、そう思った。

 

別々の道を歩き始めたラストシーンは好き。
冒頭はただのぞみの後を歩くだけだったみぞれがねぇ…。そのシーンを描いている時点で、既に無意識に観客は、ラベリングされていたのだろう。


んでも最後はdisが無くなったのは嬉しかった。リズと青い鳥のように、別れてしまうのではく、
いつかは別れる、けどそれはいまじゃない。
そんなことを伝えてくれたような…。

 

類似の感想を書いたみなさん。
ハッピーアイスクリーム


素晴らしい作品だった、パンフレット…
公式設定集買おうと思ったら売り切れていた。

 

ということで設定集という答えを一切見ていないで綴った感想。合っている合っていないという解釈は棚挙げてしておきます。

 

言えることは一言。監督の山田尚子さん、脚本の吉田玲子さん、京都アニメーションの皆様、そして「リズと青い鳥」に携わった皆様、素晴らしい作品をありがとうございました。

 

 映画公開もあと僅かなのでは?

 

 http://liz-bluebird.com/

 

以上映画終わって二時間の感想終わり。